吹田市の小児科 (医)こどもクリニック北、乳児健診、予防接種、心臓外来。ブログ。

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こどものために、みんなのために

2010年05月11日
予想はしていましたが、今週に入って少し診療がゆったりしてきました。相変わらずぱらぱらと下痢のこどもと高熱のこどもが何人かは辛そうに来院されますが、爆発的な流行はおさまってきた印象です。休日救急等ではおたふくさんが多くみられるようになったそうで、ミナミのほうでは手足口病が増えてきているとか。それを見た直後の診療で、本当にクリニックのほうにも何名かいらっしゃいました。いろいろなところでの情報収集って大事だな、としみじみ思います。

でも、とても落ち着いた季節にそろそろ突入です。そんな時は・・・「予防接種」ですよ!元気な間に受けておきましょうね。小さなこども達は受けるべき予防接種もたくさんありますが、少し大きくなってきたら日本脳炎、そして麻しん風しんの2回目・・・そうそう、10歳以上の女の子は子宮頚がん予防のワクチンもぜひご検討を!

今月は吹田市ではポリオ月間です。クリニックでも予約はかなり埋まってきていますが、多少のゆとりは残しています。ポリオは2回受ける必要があります。母子手帳をちょこっと見直してみてください。「おっと、忘れていたぜ」という方、どうぞお早めにご連絡くださいね。ただ・・・予防接種の忘れものが多い人は優先させるべきものが他にある場合もありますので「ど、どれから受ければいいんだか・・・」というお悩みはぜひクリニックのほうへご相談ください。

なんだか、宣伝ブログになってしまいました。
でも、予防接種はとっても大事ですよ。本人がその病気にかかると重症化する可能性はあるし、長期に学校や園をお休みしなければいけなくなってしまいます(働いているご両親への負担も大きいです)。また、みんなが受けることでその病気そのものの流行を抑えることも出来ます。さらにたとえば肺炎球菌のワクチンは、こどもがかからなくなる分、高齢者が肺炎球菌にかかってしまう率も抑える効果も報告されています。自分のこどものために、そしてみんなのために。ぜひぜひご検討くださいね。

強い心を持って!

2010年05月10日
また今日から23日まで名神高速の集中工事が始まりました。前にもこんなことがあったぞ、と思い自分のブログの記録を見てみると、やっぱり昨年のこの時期に同じような集中工事がありました。20分の早起きで「眠い!」とぶつくさぼやいていました。今日は幸い10分ほどの早起きでいつも通りの時間には到着出来ましたが、これからまた辛い2週間になりそうです。

さて。
最近気になっているのが「中耳炎」です。積極的に見るようにしているのですが意外と多いのにびっくりします。痰を切りやすくする薬でたまっている分泌物をさらさら流してあげるだけでよくなるこどもも多いのですが、なかなか改善なく、しかも悪化してきてしぶしぶ抗生剤を使わざるを得ないこどもも増えてきました。しかもそれもなかなか効かないこどももちらほら。

本当に耳への処置が必要なこどもは限られています。本当に抗生剤が必要なこどもも限られています。でも、なかなかかわいらしい鼻や小さなお耳、狭い空間での炎症のせいか、長期化するこども達も多いですね。耳鼻科の先生も苦労されているんだろうな、なんて思ってしまうこともありますが、すぐに抗生剤を登場させる先生も少なからずいらっしゃり「大人はいいけどさ、子どもは大切な成長過程にあるんだぞ。お手軽に抗生剤を出すのはちょっと考えてほしいよなっ!」と心の中でぶつくさ言ってしまいます。

あんまりにもひょいひょい抗生剤を出されると、その薬に対して菌がへっちゃらになってしまう、いわゆる「耐性菌」が増えてしまい、本当に必要な時に武器となる抗生剤がなくなってしまうのです。また、抗生剤はいろいろな菌をごそっとやっつけてしまうので、おなかの中のいい菌もやっつけられたりもします。身体の中のあちこちにいる「菌」はバランスをとって共存しているものが多いです。そのバランスが崩れてしまうんですよね。
出来る限り抗生剤は控えたいものです。成長期のこども達ならなおさらと思います。

一応症状をスコア化して投薬の有無を判断したりと工夫はしているのですが、でも・・・つい症状が長引くと私も気弱になってしまうこともあります。つい本人やお母さんに「気弱でごめんね」と謝りながら抗生剤を出すこともあります。連休前とか特に。信念をもって!強い心をもって!と自分にハッパをかけるのですが・・・すぐ負けちゃっていました。
連休も終わったし、もう一度カブトの緒を締めて気弱な自分を追っ払わなくちゃいけませんねっ!

新しいものを取り入れる姿勢

2010年05月09日
しつこく、青森紀行をもう少し。ホテル・旅館で学んだことです。

1泊目は遅い時間の到着、朝も早くからのお出かけ、でしたので本当に「お泊まりだけ」でした。名前もベタな地元ホテルでしたので全く期待していなかったのですが、思いの外とても快適に過ごすことができました。大きな大きなホテルだったのですが、スタッフはどの人もとても暖かみのある対応でした。客室も古いながらもとてもきれいでした。いつも気になる水回りはもかなり入念に手入れされていてピカピカでした。お掃除の鉄則として「金属部分はぴかぴかに」といろいろな本に載っていますが、まさにその通りですね。朝ご飯はバイキング形式でしたが見慣れないモノも多くて楽しく、中でも「せんべい汁」が異様においしかったです。

2泊目の場所は全国展開されている大きなチェーンのホテルでした。名前だけで客室はビジネスホテル以上に狭く古く、ちょっぴり臭く、かなりへこみました。でも、人はとても親切丁寧。少し話しかけてみましたが、方言がぽろっと出る暖かみのある返事でなんだかそれだけで救われました。部屋のテーブルにそっと置かれていたお手製のてるてる坊主がとても素敵でした。小さなこころづかい、こういうのがうれしいですね。

3泊目はまさに観光地にある老舗の大きな旅館。ロビーがやたらに広くて驚きましたが、部屋は「喘息のこどもなら一発で喘鳴出現!」というかなりのもの。部屋に敷き詰められている古い古い絨毯が問題なのだと思います。これは残念!かなり臭くてかなり辛かったです。GWなので部屋の変更をお願いすることも出来ず・・・一晩ほとんど眠れませんでした。

でも、やはりここも従業員はとても教育されていました。廊下ですれ違っても会釈だけでなく必ずきちんと声を出して挨拶をしてくれます。食事も広いレストランでのバイキング形式でしたが、接客の言葉使いや対応などとてもしっかりとしていて驚きました。ポスターや食事内容なども「古い旅館が生き抜くために」という意気込みもあちこちに感じられました。普通に料理をどさっと並べているだけでなく、わざわざステーキや天ぷら、そしてサラダの盛り合わせなど、その場でコックさんがよそおってくれます(朝はご飯を一人一人よそおってくれました)。内容も和洋中様々で、果物のところには「チョコレートフォンデュ」なんて、なんでここに?と思うモノもありました。一生懸命なんだな〜、と感心。お客さんががちゃっと食器を落とした時に、ベテランらしいコックさんが「大丈夫ですか!?」いち早く駆け寄って処理をしている姿も素敵でした。そばでおろおろしていた新人さんもなんだか初々しい感じです。きっとそういう先輩の姿を見て育っていくのでしょうね。

帰りの会計の時、領収書とともにアンケート調査の用紙と封筒を渡されました。チェーン店ではない個別の大きな旅館とはいえ、いつまでも過去の栄光にすがるだけでなく、お客さんの意見を取り入れていくその姿勢も見習わなくては、と思いました。

過疎化に対抗して、常に新しいモノを、そして常に心を込めて。そういった意気込みを青森で感じました。古いモノ、伝統あるモノを大切にする気持ちと、それに甘えることなく新しい息吹を受け入れていく姿勢。とても勉強になりました。クリニックも10年後、20年後、そういう姿勢を見失わないようにがんばっていきたいですね。

ほんの少し勉強を

2010年05月08日
連休中たっぷり身体を動かしましたので、今日は少し頭を動かすことを・・・

という訳で、今日の午後は研究会に1つ参加しました。そういうシーズンなのかもしれませんが、今日は3つも会が重なっていました。診療が終わってからもカルテ整理など仕事はありますので、終わった時間でどれに出かけるか決めようと思っていましたが、仕事が比較的早く終わり「よりどりみどり」状態に。ちょっと迷ったのですが、やっぱりひさしぶりに「心臓やさん」の世界に顔をだそうと思い、そちらの方の会へでかけました。昔なじみの先生方とひさしぶりにお会い出来るのも楽しみだったからです。

小さな会ですが、お話くださった先生はその道の第一人者です。あちこちでご講演を拝聴していましたが今回もたくさんの新しい情報を得ることが出来、短時間でしたがとても勉強になりました。2部に分かれていて、後半は外科系のお話だったため別の用事を優先させて失礼しました。間にコーヒーブレイクがあるはずだったのでそのときに「あの先生と、この先生に一声かけて・・・」と考えていたのですが、前半の話が少し長引き「このまま休憩なしで続けます。」とのこと。あらら、ご挨拶できなかったよ・・・とちょっぴり残念に思いつつ会を後にしました。

出口付近にお世話になっている先生がお一人いらっしゃったので一声かけて会場を出ると、すっと一緒に外へ出てくださり、少しお話におつきあいくださいました。お気遣い、本当にうれしかったです。本当にいい先輩方に恵まれていて幸せもんですね。

今回聴いたのは「成人先天性心疾患の妊娠・出産について」です。心臓に病気を持つこども達が大きくなった時に遭遇するとても重要な問題です。かつては「心臓に病気があるなら」とかなりの生活制限が加えられていましたが、今は違います。もちろんそのこどもの状況によっても違いますが、きちんとした管理をすれば普通の生活を営むことは可能です。妊娠・出産に関してもです。大きな病院にいるとそういった話をゆっくり十分に出来ないところが多いかと思うのですが(実際本当にそうでした)、これまでの経験や勉強を生かして一般的な話だけでも小さなクリニックで「草の根活動」的に出来ればと常に思っていましたので、今日の話はとてもいい刺激になりました。

病気をもつこども達も、出来るだけ他の元気なこども達と同じように生きていけるように、ということが私のこころの中にはあります。箱入り息子・娘にしすぎないように、もちろんある程度の制限は必要なこどもも多いですが、だからといって全てを特別扱いすることでそのこどもの人権までも特別扱いすることは決してそのこどもためにはなりません。サポートが必要であっても、人間はでこぼこ、もちつもたれつ、です。きちんとサポートを受けて、他の面で他の人のサポートが出来るような、そんな強い人になってほしいと心から思っています。

まだ全然興味の範囲にとどまっていますが、「先天性心疾患をもつこども達が大人になった時、思春期に達した時」・・・私自身がほんの少しでもこども達の役に立てるように、日々勉強は続けていきたいと思っています。

「芸術」な青森

2010年05月07日
青森のお土産話パート2です。
普段から絵を見るのは好きで美術館へふらりと行くことが多いのですが、出発する前に空港で買ったガイドブックをぱらぱら見ているとふと目に入ったのが十和田市現代美術館でした。現代美術はさっぱり分からず興味をそそられることもほとんどないのですが、今回は以前雑誌でみたことのあるとても記憶に残る作品があったので、着いた翌日いきなり予定変更して出かけてきました。そして、帰りにも思いつきでもう一つの美術館へも足を運びました。

十和田市現代美術館
http://www.city.towada.lg.jp/artstowada/
八戸の近くです。22名分の作品があちこちに展示されていて、建物も白くてひとひねりある素敵な形でした。「早いもん勝ち!」とばかりに少し急いで行きましたので、ほんの少し並ぶだけで入館出来ました。入ってすぐに目当ての作品、ロン・ミュエクというオーストラリアの方の「スタンディングウーマン」です。これは身長4-5mほどある大きな大きな外国人のおばちゃんの像です。手足や顔など、本物のように血管やシミやしわたるみ、非常にリアルに再現されていました。そんじょそこらのロウ人形なんて目じゃありません。本当に本当に「ほんまもん」でした。下にいる見学者を見つめるその姿は「いらっしゃい。お茶でもいかが?」と語りかけているようで、こういった作品にここまで「いのち」を感じたことは初めてでした。見に行って本当によかった!

他の作品も惹かれるものが多く、本当に充実した時を過ごすことが出来ました。そして何よりラッキーだったのが、その美術館のある通りが「駒通り」という桜で結構有名な通りらしく、ちょうど桜が満開! 比較的広い通りの両側を桜が彩り、その横に濃い緑の松の木もずらり並んでいて、あちこちでよく見かける桜並木とはちょっと違う、味のある通りでした。造幣局の通り抜けを今年も行きそびれていたので、とっても得した気分です。

青森県立美術館
http://www.aomori-museum.jp/ja/
もうひとつは、これも帰りの飛行機までの時間つぶしにガイドブックをぱらぱらめくって決めた青森県立美術館。だだっ広い場所に建てられたその美術館、ここは青木淳という建築家が設計した、やはりひねりのある白い建物でした。中も非常に入り組んでいて「次はどこへいったらいいんだか・・・」と迷子になることしばしば。でも、館内のスタッフが要所要所に立って親切に案内をしてくれました(結構スタッフがたくさんいらっしゃり、この人件費はどこから?なんて下世話なことまで考えてしまいました)。そのスタイルも長いシャツブラウスのようなスモック(?)、とても自然で素敵な色でした(どうやらイメージ一新するために新調したばかりのようです)。めちゃくちゃ巨大なシャガールの絵や奈良美智さんのおおきな犬の像「あおもり犬」が非常に印象的でしたが、建物そのものも一見の価値ありです。古代ローマ帝国の遺産という特別展も興味津津でしたが、その他は怪しげな現代美術の山々。理解不能な作品が並んでいましたが、意外性のある青森の別の顔・そして底力を感じました。この2つの美術館、とてもいい経験になりました。

そしてなにより、そういう美術館のスタッフやふるびた旅館のスタッフもなんだかとてもいい人達ばかりでした。レンタカーやさんも十和田湖の駐車場のおじさんも、ふらりと立ち寄った雑貨屋さんの店員さんも。出会った人たちは愛情あるとても気持ちのいい対応をしてくださいました。

青森、やるなぁ! です。こういう出会いはまたとても勉強になりますね。少し時期外れな感じもありましたが、行って本当によかったです。

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